伝えたい言葉なんてない

昔詠んだ歌、今詠む歌

藍より出でて

飛び上がるほどの大声 母を恥じ 恥じる私を さらに恥じ入る

君と飲む 300円の珈琲を 極上と思う 今日はいい日だ

我が胸に 巣食う魔物に杯を挙げ 今後もよろしく お手やわらかに

君の言う 大丈夫だよの その中に 滲む真実 潜んでいる嘘

握り締め 我が手に残ったものよりも こぼれ落ちたる砂を愛しむ

それぞれに それぞれの雨降る 神無月 雨の数だけ 傘もないのに

青はそも 藍より出でて 愛になり 哀にいたりて その胸に染む