伝えたい言葉なんてない

昔詠んだ歌、今詠む歌

修羅の血は

何もかも とりあえずという 棚に上げ とりあえず生き とりあえず食う

空を見る 足元を見る 前を見る こぶしを握る 夏雲が湧く

むせかえる 金木犀の花の香に 肩甲骨のあたりで嫉妬

次の春 その次の春は 誰がいて 誰がいないか おそろしきこと

目覚めたら 夢であったとわかるから 手を触れないで あなたを見てる

ときどきは 前向きな君が 辛くなる 振り向くばかりの私を見ないで

強がりは 小さな呪文のかけ始め 私は強いと 繰り返す夜

修羅の血は 藍か緋色か漆黒か 舐めてみせよか 濡らしてやろか